よりもい11話の感想と考察と妄想

 

 

アニメ「宇宙よりも遠い場所」の11話に関するオタクの個人的な妄想、妄言です。

 

・キマリが日焼け跡を隠すために、顔を隠したら、強盗みたいだからやってみたっていう話の流れなんでしょうね。キマリが持ってる銃は8話の水鉄砲ですね。

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・結月のこの悪そうな顔と「ぐっ……くきき……」って笑い方大好き。

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内地への迷い

ここで吟が内地へ行くのを迷っているのが大切な伏線になるんですよね。

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いつもと違う日向

  「日向!えと…さっき…」「さっきのはテストだから借りにはしないぞ」「違う」

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 完全に何もなかったように振舞う日向にさっきの事を言おうとするが、遮られてしまう。この時の怪訝な表情の報瀬には心配と不信感の芽生えがあると思う。それと同時にそこまでして日向が隠したいことだから、よほど知られたくない事なのかなっていう迷いが浮上したはず。だから思い切って話を切り出せなくなっちゃったわけですよね。さらに6話で日向に歩み寄ろうとしたら、気を遣われるのが嫌いと距離を保たれたという経験があるから、下手に心配を伝えられないという考えが出てくると思います。

 

 吟にとっての貴子が、近くにいるのに自分の手が届かない「雲のような人」であった。ここでそらを見上げる報瀬は、日向に対する憧れ、近づきたいけど遠く感じる気持ちが描写されているのかも、と思いました。恐らく吟も貴子とは友達という関係であるけど、「諦めなさ」や「思いの強さ」に尊敬している、憧れている気持ちがあったと思うから。

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キマリの気遣い

 キマリの「ここにも来たって、報瀬ちゃん。良かったね!」はこのテンションで話すには繊細過ぎる話題では?って思った。さらに安本保奈美が「やったよー3年前一緒に。何でもやりたがったからねー貴子先輩」って返答していることから、キマリが「報瀬ちゃんのお母さんもこれやってました?」的な露骨な訊き方をしているわけだし。

 でも9話で報瀬とかなえの会話を聞いていたことを加味すると、南極に来たことで報瀬に変化が訪れて欲しいのであって、それをオーバーに、不自然にやってしまうのがキマリであると納得した。結局キマリのそういう部分のおかげで12話で報瀬はノートパソコンを見つけられるわけだし。

 

報瀬に麻雀をさせる

 報瀬にマージャンさせるっていう、一手が脚本的に効果的だと思いました。キマリのあほっぽさを出しながら、日向に「もともと報瀬は心狭いからなー」っていうセリフで伏線を張らせる。さらに報瀬が別行動することで報瀬だけにメールが来ている事を教えられる。

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 「もともと報瀬は心狭いからなー」と言いつつ、ブロックしている状態から削除しようとしている自分の方が心が狭い?と思って躊躇う。多分自分が彼女たちを許してしまえば、それは過去になって自分以外の誰も嫌な思いを残さずに解決するという考えが日向の中にはある。それはいつも通りの日向の自己犠牲方向での解決だから。悪意の中で自分の心を守るための「悪意に悪意で向き合うな。胸を張れ」っていう考えに基づいているから。そうやって、大人っぽく、冷静に、物事に向き合ってきたのが日向であるし、それを報瀬は自分にはない部分だと思って憧れていたように、日向の長所でもある。しかし憧れていたのは報瀬だけじゃなくて、日向だってそうで。報瀬が自分の気持ちを思いっきり表現できる部分を日向は尊敬しているといえると思う。だから自分が嫌な思いしたまま、日本との中継を平気な顔を作ってやり過ごすっていう以外の解決を心のどこかで望んだと思う。

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日向と報瀬

 3話において他人への配慮が欠けていることに気づいた報瀬は、日向に憧れや尊敬に近い感情を持ったと思います。だから日向に接するときに多分普段より気を遣ってしまう報瀬がいると思うんだよ。例えば、6話でパスポート紛失によって南極に行けない不安を話した後に、日向の気持ちを考えてないことに気が付き、慌ててフォローしようとしたのも、日向との3話があってこそだと思う。自分がされて嬉しいことを相手にも返そうって考えるのは、「互恵性規範」であり自然な行動だと思います。

 しかし日向は自分が気を遣いまくるけど、他人に気を遣われたくないっていう性格なのでこの報瀬なりの優しさは届かない。ここの行き違いがちょっと好きなんだよね~日向は2話で言っているように報瀬とキマリの「嘘ついてない感じ」が好き、報瀬も日向の思いやりができる人となりが好き→報瀬は日向に近づきたいから気遣いできることを目指す→それが少しずつできるようになって2人とも嬉しそう(3話のファミレス後)、ここまでは最高に良いんだよ。でも日向はその気遣いの方向が自分に向けられると、途端に拒絶してしまう。6話のようにいきなり溝が生まれてしまう。これはね~双方とも悪くないんだよ。

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日向の隠し事

 ここの「一人にしちゃってごめんね。」は日向から一人で心配していた報瀬への気持ちが「一人にしちゃってごめんね。」に被っている可能性もある?と考えている。ここでは、日向が本心を隠すことで報瀬が日向を信じられなくなる可能性について、報瀬が言及している。その可能性が現実になると、日向が報瀬に対して隠し事をしている事実は、元チームメイトが本心を隠して日向を人間不信に陥れた事実と、「本心を見せず、相手に不信感を与えて傷つける」という点において重なる部分が出てくるわけで。日向がそれを理解した上で、話すという選択肢を取ったと考えたいですね、個人的な欲求として。それがあの表情の日向が描かれた後に「一人にしちゃってごめんね。」が映し出された意味、つまり、「無自覚のうちに自分が相手をを傷つける側になる可能性を認識した描写」になりえないかな?と勝手に考えている。

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 まだ淀んでいない水

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 日向が「負け犬で申し訳ない!」って言っているの、自己犠牲でみんなの気持ちを収めようとか、重苦しい空気が嫌で自分の惨めさを誤魔化したい気持ちとかいろいろ含まれてると感じたが、一番大きいのは「相手が全面的に悪いのに自分が学校から逃げ出したことへの負の感情」であり、これは報瀬の「悪いのは完全に向こうじゃない!」っていう正しすぎるセリフが引き出しているセリフだと思った。報瀬は自分が間違っていなければ自分を曲げないという性格なので、こういう風に考えるわけで、それを知っている日向は正しくまっすぐな報瀬とそこまで強くなれない自分を対比して、劣っていると感じるから「申し訳ない」って気持ちがある、気がする。

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水を汲みに行く2人

 「私さ、ずっと考えてた。日向と同じだったらどう思うだろうって」「ひどい目に遭わされて、でもある日何事もなかったように連絡してきて、もう取り返しはつかないのに謝ってきたりして」「平気でいられるわけない、笑ってなんかいられない」

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 でもあくまで日向の気持ちになった報瀬だから「報瀬は私じゃないだろ」って返される。報瀬が日向の立場に立っているんだよなぁ。報瀬の成長なんだよぉ。こっから妄想チックで、さっき少し書いたけど、6話で報瀬がやっていた気遣いって日向を尊敬している、見上げているからこその配慮だったと思うんです。で、さっきの報瀬がそらを見上げるシーンは「報瀬にとっての日向も近くにいるのに遠くに感じてしまう点」を表していると書いた。けれどこのシーンの時点では、日向の過去が明かされて、報瀬が憧れている部分以外の弱い部分も報瀬は知ることになって、自分と同じ17歳であることが分かって、日向の立場に立って気持ちを考えられたと思うんです。その結果「報瀬は私じゃないだろ」って呆れて返されるわけですが、日向は報瀬の気持ちを受け止めているわけです。こんな感じで、日向が嫌がっていた6話の気遣いと、今回の気遣いって全く別物だと思うのよ。前者で上の人だった日向が後者では報瀬の隣に並んでいるイメージ。11話では6話で報瀬が思いを告白するシーンと比べてこのような相違点があり、他方で報瀬が気遣いという点で共通していると考えています。こうなったのは日向が自分の弱い所を見せてくれたからであり、報瀬のおかげだと思います。

 

  「手だけでいい、報瀬余計なことばっか言ってうるさいから」 「ありがとう。ごめんな。私、多分まだ、怖いんだよ」

 「私、多分まだ、怖いんだよ」って伝えることはできるのに、そこまで弱さを共有している段階まで達しているのに、自分以外の人を怖いと感じてしまうのが、もどかしい。それって報瀬がどう言ったってどうしようもなくて、さらに悲しくなるから、日向は手だけでいいって言ったと分かる。

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 日向は一瞬、「報瀬」って呼んでそのまま抱きしめようとしたと思うんですよね。でも実際には腕を組んで報瀬に手袋を外すように言った。これ個人的に難しいけど、抱きしめることに対して、恐らく「ごめんな。私、多分まだ、怖いんだよ」の気持ちがあるっていうことだと思うんですよね。

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 これに対して報瀬は「でも!私たちは」って反射的に言ってしまうし、日向もデコピンしつつも報瀬がこう言ってくれたのが嬉しくて、安心して。だから「連れてきてくれてありがとう」って報瀬を抱きしめることができたんだと思っています。報瀬の不器用さと強い気持ちの両方を受け止める日向。日向って報瀬以上に報瀬の良い所も悪い所も理解しているんじゃないかと感じさせるシーンですよね。あと、報瀬の不器用さと強い気持ちってもう最初の方からずっと一貫している性格なんですよね。キャラが全くブレずに、でも成長しながら物語が進んでいく。ほんとに良いキャラクター、良いアニメだと唸っています。

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 このシーンで報瀬がわざわざ手袋をしているのには意味があると思うのよ。寒いから手袋しているんだろうけど、日向はしていないし。キマリが喋っているシーンでわざわざピントがズレたところで手袋しているところが描かれているし。じゃあなんでかっていうと、報瀬と日向の間の温かみが伝わるのを阻害するモノの象徴を手袋と考えても良いんじゃないかな~と思いました。ここでは報瀬の手=気持ちであると思うので、言葉=手袋と考えて、報瀬の良い所は気持ちなのにそれを言葉で伝えるのが不器用で、気持ちだけで伝えて欲しいってシーンだから、手袋を外させるって合うと思うんだよね。手袋をしながら何かをするって本来の手の動きが伝わりにくい=不器用、という部分も重なるし。

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 さらに妄想させてもらうと、自分だったら日向に手袋させといて、外させたくなっちゃうぅ~って思いました。外からの冷気から身を守るための手袋のせいで報瀬の温かささえも、伝わりにくくなっちゃっている部分が日向っぽいと思うので。

 

 

日向の過去との決別のシーン

 「許したら楽になると思うか?」「許したい?」「それで私が楽になるならな。けど、それでホッとしてるあいつらの顔を想像すると腹は立つな」「ざけんな?」「だなー、ちっちゃいなー私も」

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 「ざけんな?」ってセリフについて、11話冒頭で日向が「ふざけんな!」って暴れてたのを報瀬が見ていたからってのもあるけど、報瀬が自分の「ざまあみろ」って気持ちに近いと感じているとも思います。なので「だなー、ちっちゃいなー私も」の「も」は報瀬を想定しているし。

 「ざけんな」って感情は傍(日向)から見ると「ちっちゃいなー」って感じであると、この会話から分かりますよね。「ちっちゃいなー」と似ている「心狭い」ってワードが使われていた風呂上がりのシーンを見返すと、「もともと報瀬は心狭いからな~」って言いつつ、元チームメイトをラインから削除しようとしている日向が、このような「報瀬の許せない性格」を笑いながら、自分の許せない気持ちに悩んでいる描写であると理解できると思います。

 でさーこの「ちっちゃいなー、私も」ってカットがすごい。天才的に良すぎる。一番好きなカットです。このどうしようもなく助けを求めている表情もすごいし、ここまでの日向の気持ちが全部乗っているような話し方も。一気に引き込まれる、日向の気持ちに立たざるを得ない、4秒くらいのカットだけど、めちゃくちゃ心にくる、すごいカットだと思います。

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 この部分てさ、一番難しいじゃん。これまで頑なに大人っぽく振舞い続けて、距離を保ってきた日向がさ、前のシーンで報瀬の気持ちを受け入れることができた。でも、日向から報瀬に助けを求める、ないしは歩み寄らないといけない。そうでないと、報瀬が日向のために怒って解決しても、その怒り方は日向の気持ちからズレてしまうかもしれない、それこそ本当に「報瀬の思い込み」になりかねないわけですよ。だから日向から助けて欲しいって気持ちを引き出す必要があって、でもそんな簡単に言い出せる日向じゃないし、「まだ怖い」わけだから、はっきり「助けて」なんて言わせられない。その中でこの表情と、この演技はめちゃくちゃ難しい部分を、完璧に仕立て上げているから、本当にやばい。おじさんはこの部分で毎回泣いちゃうよ...

 

  

 「けど!そんなことないから!」「日向ちゃんは今、私たちと最高ーーーに楽しくて、超充実した、そこにいたら絶対できないような旅をしてるの!!」

 なんで10話で伏線張ってまで11話でキマリに変な日焼けをさせたか?って疑問があると思うんですよ。もちろんキマリのキャラを深めるエピソードとしてあるんですが。「結局日焼け治らなかった」「エンジョイしている証ですよ」っていう会話から、南極を楽しんでることの証拠としての役割があると思うんですよ。キマリが元チームメイトに対して言った「最高ーーーに楽しくて、超充実した、そこにいたら絶対できないような旅をしてるの!!」ってセリフもこの部分に由来していると思うの。誰からどう見られようと自分たちは関係なく前を向いている。負け犬で見下されてるけど、4人で前進して楽しんでいるっていう説得力があると思うのよ。彼女らは中継に映る際の自分の顔を鏡でチェックしているわけですが、その周りから見た自分を気にしている態度と対照的ですよね。日向たちはもはや、そのレベルにいないって話なんですよ。

 変な日焼けはコミカルパートの与太話だと思わせといて、物語に重要な鍵になっているの、面白いよなぁ。

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 「日向はもうとっくに前を向いて、もうとっくに歩き出しているから!私たちと一緒に踏み出しているから!」

 これは日向に対するメッセージでもあるんですよね。実際に日向は一歩踏み出しているんですけど、報瀬が宣言することで日向をそっちの方へ引っ張っていく。日向がまだ過去と決別できていなくても、報瀬がまだ問題を解決できていなくても、旅に出たっていう行為が前を向いて、前進できている証拠だと思うんですよ。

 

 

 「私は日向と違って性格悪いからはっきり言う。あなたたちはそのまま、モヤモヤした気持ちを引きずって生きていきなよ!人を傷つけて苦しめたんだよ、それくらい抱えて生きていきなよ!」「それが人を傷つけた代償だよ!私の友達を傷つけた代償だよ!」「いまさらなによ。ざけんなよ!」

 報瀬、かっこよすぎる。

 この2枚の画って同じ方向(中継用カメラの方向)を向いているはずなのに、1枚目は顔の左側が陰になっている。前後のカットを見ても影が出ているのはここだけ。ってことは「私は日向と違って性格悪いから」ってセリフから影のイメージを作っているんだと思います。

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報瀬から吟への伝播

 吟が「準備しようか」っていうカット、カメラワーク的にはトラックなんですけど、これって風景とか周りの状況の画を映すときとかに使われると思うんです。11話でも風景の描写は大抵これだと思いますし、中継前に話す報瀬に注目する隊員たちも同様で、報瀬が中心であるのに対して「状況」として描かれていると感じるはずなんですよ。で、報瀬を見た後の吟をこういう風に移すことで、一瞬「状況」である、と感じさせると思うんですよ。

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 普通ならそうなるだろっていう前提をカメラワークで伝えておいて、突然吟が立ち上がることによって、『ところがどっこい、違うんです!報瀬の「思いの強さ」を見た吟は「状況」ではなく、「主体」になっていくんです!これがよりもいです!!』ってよりもいが強く主張しているんでは!?って考えが止まらないんですよね。個人的には。もしそうなら、もっと好きになってしまう、好き。

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6話と11話の比較

 6話と11話を比較してみます。まず、スタートが日向の抱える問題という点で2つの話は共通している。6話ではパスポート紛失がバレる、11話では元同級生が現れる。ただでさえ日向は迷惑を掛けたくない性格なので、6話ではパスポート無くしたのを隠したまま観光を続けて、結月の疑り深い性格があってようやく紛失を認めた。これが11話では、よりバレたくないことで、より話したところで解決しなさそうなことで、より気を遣われそうなことだから絶対に日向は話さない。必死に隠す。その点で6話とは異なり、日向の問題解決の前に問題を知る段階が困難である。今回は結月が訝しむ余地もないほど日向が意識的に明るく振舞っていると思うので、報瀬が問題を明らかにしなければいけない。

 それに対して報瀬は日向が心配になることから始まって、無理やりでも日向の悩みに近づこうとする。6話の報瀬も自分中心で考えていることをすぐに自省している(3話での反省を生かして)から成長しているんだけど、その6話からさらに変わっていったのが11話での報瀬。

 報瀬に心配ないし気遣いされそうになった日向はどちらの話でも自己犠牲を伴った解決に向かおうとする。6話では自分を置いて先にオーストラリアに向かえと言い、11話では日向の過去の話を忘れろと言う。自分が嫌な気持ちでも周りに迷惑を掛けたくないのは人間が怖いからですよね。

 11話の「そうされてると、私が嫌な気になる」は6話の「そっちの方が気持ちが良い、私が」と似ていて、自分が心配されて嫌だって気持ちははっきり言葉に出すんだよね、日向は。だから本心を見せているようで、壁があるように思える言葉の使い方だと思った。

 「意味なくなんかないから」って報瀬が言えているのがね~成長なんですよ~上で書いたように日向が心配かけない方向に自分の気持ちを置きに行くのは6話と11話で共通しているんだけど、6話ではそれに対してふて寝してしまう。けれど11話では自分たちが日向の事を真剣に考えて思慮することに意味があると反論する。このセリフが出たのって、日向が自分を置いて先に行けって言ったくせに、4人で行くって言われて嬉しかった6話を報瀬が経験しているからだと思うんですよね。だから今回も、「日向がこういう言い方をしているんだから、自分たちに心配かけたくない気持ちが強いんだろうな」っていう事を報瀬は分かっていて、6話の最後でそうしたように自分の気持ちを日向に押し出している、そんなシーンだと思います。

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 だからここの日向のセリフで納得して、日向の過去を忘れるって言ったキマリと結月が鈍いとか薄情なわけではないんですよ。この2人は本当に日向の「そうされてると、私が嫌な気になる」を完璧な本心だと思っているから。6話で日向に深く関わった報瀬と違って。さらに言えば、日向が外で怒鳴り散らすシーンを見ているのは報瀬だけで、キマリと結月は報瀬の「だって一人でなんか怒ってたから」ってセリフしか聞いていないので、日向がどれほど荒れていたか知らない。日向がどのくらい引きずっているかは想像しかできないと思うんだよ。

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11話まとめ

 一番早く感じる22分では?それくらい良さの回ですね。

 

 

12話に続く 

taji488.hatenablog.com