よりもい3話の感想と考察と妄想

 

 

アニメ「宇宙よりも遠い場所」の3話に関するオタクの個人的な妄想、妄言です。

 

 報瀬と日向の違い

 結月を説得するという「目標」が見つかると、何も恐れずに突っ走る性格の報瀬は結月をいち早く説得しようとする。一方、日向は「日向ちゃん、オトナー!」って言われてるように、結月の気持ちに向き合うべきだと指摘して、冷静に報瀬を止める。報瀬の思いの強さの悪い面が出た時に、日向の相手の本心を読む力がそれをカバーしている。

f:id:taji488:20190817013436p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 日向のこの力ってやっぱり陸上部での過去が関係してると考えられて、言葉上ではいくらでも嘘をつけるから、本心を見抜くために普通の会話でも相手が本当はどう考えているかに注意を払っていると考えます。

 「私さ、結局自分の気持ち優先させてばかりで、他人の事考えてないのかも」これは実際その通りで報瀬の「思い込みの強さ」という長所があるからこその短所ですね。ただこれをちょっと冗談ぽくしながら、ちゃんとフォローする日向は流石だな、ほんとコミュニケーションが上手すぎる!と思います。

 

 路上の信号が赤になっているのは、報瀬の進みたい、はやる気持ちに対して日向が冷静にストップをかけたことを表しているのかな?と思いました。

f:id:taji488:20190817013625p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 「わたしい~」って言うカットマジで良い。良いよ~日向ちゃん!

f:id:taji488:20190817013925p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 はぁ!?しれっと手を重ねてるじゃん!すごい、あまりにも仲よくなり上手かよ!?お前ら仲良しかよ...仲良しじゃん...あぁ...ああぁ~、良い~~~~~

f:id:taji488:20190817013849p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 やっぱりね~、よりもいで泣けるシーンは多いけど、個人的1位は11話の日向の話で。やっぱりこれはこれまで4人の旅路を一番冷静にサポートしてきた日向が見せる弱さ、それに真剣に向き合う報瀬、ってゆうのが要因としてあるので、日向がしっかり者であることを序盤からしっかり描き重ねていったからこそ、であると言える。

 

結月への接し方

 結月が教科書広げる時にキマリがオーダーボタンをどけていて、「キマリってこんなに気遣いできる子なの!?」って少し驚いたんですけど、年下の結月を妹みたいに思ってるのかなと感じました。これは結月の隣に座ってるのがキマリである理由とも重なると思ってて、昨日初対面の人の隣に座るのって心理的に抵抗が少しはあると思うんですよ。けどキマリにはそれができる。年下に優しくできるのは、いいお姉ちゃんだからかなぁって思いました。

f:id:taji488:20190817014502p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 報瀬が「ちょっとその前に聞いておきたいことがあって」の時に、日向が「おっ」って感じで報瀬の方を見るんですけど、これは「どうして行きたくないの?」って尋ねるのは、通常では報瀬の役割ではなくて、昨夜の報瀬の反省があったからこそなんですよね。

f:id:taji488:20190817014740p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 結月が問い詰める相手をキマリから報瀬に変更してるのいいですよね~もう結月も報瀬の感情が出やすい性格を理解してるってゆう感じありますよね。キマリの質問から母親のたくらみを推理することからも頭の回転が速くて、年下なのにしっかりしている(勉強面も)印象を与えてると思います。

 

 

 ここで「私、友達いないんです。今じゃないですよ。今まで、今まで一度も」って言っているの、話し方も含めて、キマリたちと友達になれることを想定していないと思うんですよ。友達がいないから友達になりたいって思っている相手に「私、友達いないんです。今じゃないですよ。今まで、今まで一度も」って言うのは、悪手だと思うんですよ。それは結月も多分理解していて、この話を冷静にできるのは自分がグループが出来上がっているように見えるこの3人の中に混じる可能性がとても低いと感じているからだと思います。だから「親友同士じゃないですか!」を否定された時が意外だったと考えています。

f:id:taji488:20190817015115p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 「なんか抱きしめたくなった」「新学期とか私もすごい嫌だもん」「分からないですよ」「分かるよ」

 キマリが結月を抱きしめたのはやっぱり、15歳で年下なのに、タレントと女優をやっててしっかり者の結月が見せる弱さへのお姉ちゃんムーブかなぁと思います。キマリが共感できるのって、何か新しいことにチャレンジするときに怖くなる、不安になる気持ちを知っているからだと思います。新学期は何かと新しくなることが多いから、その気持は分かる。

 さらに、結月が「高校では絶対友達作ろうって。部活してバイトして、友達と放課後買い食いして、カラオケ行って」って言っている部分が高1のころ「高校に入ったらしたいこと...日記をつける。一度だけ学校をサボる。あてのない旅に出る。青春、する。」っていう目標を立てていた過去のキマリに被る部分があると思います。それの一歩を踏み出すのに苦労したキマリは、高校で新しいことに果敢に挑戦している年下の結月を、凄いと思っていて、応援したくて、でもうまく行っていないみたいだから自分まで辛くて。みたいな気持ちで抱きついたのではと考えています。「ノートの上で手に力がこもる結月と、それを見て泣きそうになるキマリ」っていう描写の意図もこんな感じだと思いました。

f:id:taji488:20190817015651p:plain

©YORIMOI PARTNERS

f:id:taji488:20190817015653p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 あと、キマリって報瀬や日向と違って、一人でいることって得意じゃないと思うんです。それは1話で書いた、ぬけているところがあって(体操服、授業態度など)誰かに頼りがち、報瀬がいたからこそ旅に出れた、ことからわかる。だからキマリが一番結月に共感できたんだと思います。

 

 

 

・報瀬の正面の顔が画面の中央からずれているカット、違和感があって、この場合はキマリがひよっこり出てくるという仕掛けなんですね。

f:id:taji488:20190817020056p:plain

©YORIMOI PARTNERS

f:id:taji488:20190817020100p:plain

©YORIMOI PARTNERS

結月の夢

 この結月の表情良いですよね、1話の報瀬に誘われたキマリぐらい心がワクワクしてそうですよね。そのキマリは、3話では1話の報瀬並みに 良い笑顔で結月に手を伸ばしてるんですね。窓からキマリたちが来たのと強風だったのも、ワクワク感の表現かなって思います。

f:id:taji488:20190817022418p:plain

©YORIMOI PARTNERS

f:id:taji488:20190817022419p:plain

©YORIMOI PARTNERS


 この夢の中で、結月がキマリの手を取ることを決断できたのは、当然キマリの存在があったからで。キマリが素直であるから相手の正直な気持ちを引き出せて、誰とも打ち解けるのが早く、すぐ仲良くなれるのが理由だと思うんだけど、結月もこのパターンで仲良くなっていて、「純粋になんで南極に行きたくないのかを訊いて、そこで結月の気持ちを知って、それでいて相手に対して、素直に自分の気持ちを行動で表現する」ことで、悩んでいたクラスメイトとの関係よりも先日会ったばかりの3人との旅を、結月は心から望んだんだと思います。

 よりもいは実質12話(最初から13話はエピローグ回と最初から決めていたとのこと。4人が出会って、南極に行く準備をして、南極までの航海をして、南極に到着して、南極から帰ってくる、ってゆう南極に行く本筋に加えて、それぞれ4人の抱えている問題解決やキャラクターの味を出す、途中から大人組の南極への思いを描くなどなど、普通のアニメ12話の量ではないんですよ。だから4人が仲良くなるのに時間が掛けれなくて、主人公であるキマリはこのようなすぐに仲良くなれるプロみたいなキャラになっていると感じました。この点においては性格があって物語があるのではなく、物語があって性格があると思います。

 

 

 このアニメでは女の子のへそチラが、1コマ1コマ見ていく人用の隠しボーナスみたいなものになってるんですかね?

f:id:taji488:20190817022614p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

 笑ってから「...変な夢」って言うまでのこの表情が良いよね~~~良いよね~~

f:id:taji488:20190817022527p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 この体より先に気持ちが動いた、体がついていかない、みたいなカメラ先行の振り向きのカットいいですよね~~大好き~~

f:id:taji488:20190817022747p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

f:id:taji488:20190817022749p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 いやー、これ、憎いストーリーですよねー、一度は結月がキマリの手を取ったんだけど夢の中の話で。夢の中だったからこそ、見ている我々は結月が本当は南極を目指すのに誘ってもらいたくて、行きたいのが分かってるんですよ。しかし、起きたら現実は何も変わっていなくて、クラスの友達には見限られてしまって。そこに、今度は本当に、キマリたちが誘いに来てくれて。完全に感情移入して泣いちゃうやつですね...

 

 扉を受け止めるのが報瀬なのは、3話での成長を表してだと思います。「時間ある?」も報瀬なりに、気を遣ってたらいいな...

f:id:taji488:20190817022925p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 いやー、この涙って、ずっと大人っぽく、振舞ってきた結月は人前で見せるはずがなかったもので、気を張り続けていたからこそ、友達同士の気の緩むような、普通の会話で、これまで我慢してきた涙が、寂しかったし孤独だった気持ちが一気に流れたと思うんですよね。この結月の泣き方も幼さがあるというか、大人じゃなかったんだ、と思わせる感じあるよね...

f:id:taji488:20190817023301p:plain

©YORIMOI PARTNERS

オーロラの伏線

 「でも、オーロラってなかなか見れないんじゃないのか?」「聞いたことあります」に対してキマリの「じゃあもし本当に見ることができたら、南極でオーロラ見た世界で唯一の高校生になれるかも」ってポジティブ返し過ぎてすごいです。このポジティブさって後々の旅で活躍するんですけど、その最たる例が8話の「そうじゃないよ。選択肢はずっとあったよ。でも選んだんだよ、ここを」ってセリフだと思うんだけど、キマリは他の3人よりひとつ上のポジティブな考え方をする時があって、それが4人を勇気づけたり、励ましたりしていると思います。これはキマリの「諦めなさ」にも関連してくる重要な性格だと思います。

f:id:taji488:20190817024221p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 このシーンってオーロラが最後の方で綺麗に回収されるのでそっちに目が行きがちですが、こうゆう性格面での伏線(描写)もきちんと張られていて、「よーくできたアニメだぁ~」と感嘆せざるをえないですね。

f:id:taji488:20190817024224p:plain

©YORIMOI PARTNERS

 

感想

 結月が思っている友達の関係は毎日学校で会って、つるんで、休日は一緒に遊んで、って感じのもので、それは幼稚園、小学校、中学校ではその友達の形が多いと思います。しかしキマリたちの関係は学校が同じわけでもなく、遊んだりもしないけれど、南極に行くという目標を共有している関係である。そうゆう別枠の関係で、それは同年代との関わり方が友達の一択だった結月にとっては斬新なものに感じたと思う。この関係になって旅を終えた4人は13話で、それぞれ別々の生活に戻る。でも、また旅に出ようと約束する。良い関係だなと思います。この関係の経験があったからこそ、結月はこれからの仕事で上手く行くんじゃないかなって思います。ただし、結月には学校の友達や他の他人との関係もいろいろ経験して、大きくなってほしいなぁと思いました(父親か?)。

 

 

4話に続く 

taji488.hatenablog.com